かなりいいぞ!ハーレクインシリーズの電子出版

iPadのニュースでにわかに電子出版が注目されはじめている。Kindleが出たときには英語版の書籍しか見ること出来ないということだったのであまり興味もわかなかったが、iPadが出るとなると事情は違う。なにしろAppleがやることだから目が離せないということもあるのだけれど。

iPhoneが日本に上陸(2007年7月)した時もそうだったが、日本ではiPhoneは成功しないのではないかと言われていた。しかし、どうだろう、上陸からわずか3年あまりなのに、iPhone契約者数はどんどん伸びている。これは、SoftBankの戦略ももちろんあるのだろうが、それよりもアプリケーションの多さと、なんといってもAppleが誰にでもアプリ自体を開発し販売出来る仕組みを作ったからではないかと思う。iPhoneアプリはいま10万本を越しているという。ほんとすごい!(しかし、その中で残っていくアプリはどれくらいあるんだろうなんて思いますが…)

iPhoneのアプリケーションは様々な発想によって作られている。だから使い方によってはとても便利なものが多い。中でも、ハーレクインの漫画を読むアプリはすごいと思う。これはアプリとはちょっと違うと反論もあるかもしれないが、私にとってはiPhoneのデスクトップにあるSoftなので、アプリとして考えている。
つい先日、ドラえもんのアプリがSoftBankから発表され(期間限定)、その中にドラえもんの漫画があるのだが、その漫画自体はタップし大きくして見なければ読めないものだった。つまり、単行本をそのまま、取り込んだスタイルだったのだ。そこで思ったのが、産経新聞のアプリ。このアプリは一時とても話題になった。新聞の紙面がすっぽり手の中に入るのだから、初めのうちは私も「こりゃすごい!」と思って毎日ダウンロードしていた。だけど今は全く読む気がしない。それはなぜか、簡単である。とにかく読みにくいのだ。iPhoneに一面のサイズを小さくしたって、読めないし、写真だって何が映っているかわからない。だから、一面サイズの画面は必要ないのだ。

ところが、ハーレクインの漫画のアプリはとてもいい。ひとこまづつ見るので読みやすい。それにタップをすれば次々にのコマが進む。画角に合わせて、PANやスライドインだってする。最近では漫画の中で、主人公などが動揺した場面では、がくがくと動き、さらにバイブレーションも作動する。よりリアルな感覚を漫画を読みながら体感できるのだ。読むスピードはタップをすればいいので、自分のリズムで読める。だから感情移入しやすいのだ。しかしこの方法は、ひとこまずつ作らなければならないので、とにかく手間がかかると思う。だけど読み手にしたら、ひとこまづつの方が絶対に読みやすいのだ。そこのところをちゃんと考えて、ハーレクインの漫画作られているのだ。

産経新聞iPhoneアプリは操作をすれば画面を大きくし文字は読めるのだが、操作しなきゃならいということは、意外に読みにくいものなのだ。これでは産経新聞のアプリは物珍しさだけで終わってしまう一因。残念なことに「いかに読みやすくしていったらいいか…」なんてことは、まったく産経新聞さんは考えていないようなのだ。
しかしハーレクインが一番面白い!といっても、私自身はハーレクインの漫画自体にはあまり興味ないのである。だからiPadが日本で発売される前に、このブログを見た出版社・新聞社(と言っても、産経新聞しかないが)の方々は、ただ紙面を取り込むだけのようなアプリは、いま一度考え直してもらいたいと思っている。